ここ数年自分の家(部屋)にはテレビを置かず、
引かずで、だいぶ縁遠い生活をしています。 でも考えると僕は小さい頃もそうでした。。。 母親はある時、家からテレビというモノを消しました。 それを見ることになれていた僕ら兄弟のショックは大きく、 外界から孤立するような恐怖に襲われました。 なので、見たい番組は人の家に上がり込んだりして、 意地になって見に行った記憶があります。 中学時代に再びテレビが有った時期がしばらくあり、 その時も子供達のあまりのテレビへの依存に対し、 母親はテレビの電源ケーブルを切ってくれました。 でも僕は抵抗して切れたケーブルを一生懸命つなぐ、 すると再び母親にケーブルを切られるという格闘。 ふとその頃のことを思い出しましたが、 今はその時の母親の気持ちがすごく分かるし、 僕と正面から戦ってくれた母にとても感謝している。 テレビという媒体の持つ恐ろしさというのは、 その気づかないうちにつかんでしまう依存性にあり、 人の意志や、想像力、時間を極端にむしばむ。 特に子供時代における依存はかなり恐ろしく、 ゲームや携帯電話しかりである。 依存と言うことは人間に取って非常に楽で、 ある時は逆に危険な強さにすらなってしまう。 それはテレビだけに限らず、人間生活自体に有ると思う。 今の社会というのはあらゆるシステムに支配され、 何かに依存させようとして成り立っていて、 いかに人間の心理にたいしてそれを働きかけるか。 モノを購買させる、目を引かせる、意識させる。 それは概念を持つ人間という生き物独特の部分を、 巧みに使い、ルールを持たせ、枠を築く。 周りを見渡すとその枠だらけになっていることが分かる。 お金、物、友達、学校、仕事、趣味、家族。。。 こうでなければならない、こうでないと幸せでない。 そういう枠の中に納めさせ、そこに居るうちは安泰で、 そうでなければ不安を感じさせるシステムになっている。 人は持っているけど自分は持っていないことの恐怖。。。 他人と比較することで生まれる自分のポジション。 そんなことにいったい何の価値があり、何が生まれるのか。 ただ、惰性と消費の繰り返しで、ごまかしの安心。 とても己というアイデンティティは生まれそうもない。 何かそれらしいことがあってもそれは何かのコピーで、 すべての人が結局同質に見えることに気づくだろうか? 最近町の女性を見て、ブランドなどで綺麗に着飾ったり、 取り繕った人を見るとどうも興味がわかなくなる。 確かに綺麗な人に遭遇することは多くなってきたが、 どんな人も後々の自分の記憶には残ってこない。 みんなが同じ顔や姿に思えてならない。 それはもちろん男性も同じコトが言える。 一世を風靡したマトリクスという映画があったが、 あの映画の中で、現実を見る勇気があるかどうか? それを問われ、その現実を見ていくというのがある。 あれはコンピュータとかSFとかいう枠の話でなく、 そんな画一化され、エコノミックアニマルと化した、 現代の人間、システムに対しての絵が見える。 あそこでコンピュータに支配され、 システムのエネルギーとして吸い上げらる人間。。。 その一部に自分が居ることすら気づけない。 今の僕らの社会の鏡の様に思えてこないだろうか? テレビから話がだいぶそれてしまったが、 そこにあることの安心感、属すことの安堵感。 人間の概念が生み出した虚像を取り巻く話題。 現代人の想像力の欠乏にテレビは一役買っている。 別にそれ自体すべてを否定するわけではないが、 それがどういう物かを理解して見る能力が要らないか? 特にそこに見えるルールや正義はまったく恐ろしく、 情報を流す側のモラルはあまり見て取れない。 中途半端な情報は決して人間を豊かにしない。 それを鵜呑みにし、その通りに無理に振る舞う、 その不自然さ、矛盾にもっと気づくべきだと思う。 確かに素晴らしい映像を見せてもらったり、 感動を覚える番組も沢山あるのは分かるが、 その表面的な情報を見て、分かった気になる心理。 そこに非常に大きなひずみを感じてしまう。 もちろん自分もその中の一人かもしれない。。。
by michiyuki917
| 2004-10-22 04:48
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