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伊藤キム+輝く未来
以前よりちゃんと観たいと思っていた伊藤キム+輝く未来の公演を観てきました。タイトルは「壁の花、旅に出る。」というもので、会場は僕もパフォーマンスしたBankART1929YOKOHMA。
二部構成になっており、一部はフリードリンク、フリーフードのパーティの会場に仕立て、ダンサーが空間を囲むように立っている。椅子の上に立ち洋館にたたずむ彫刻のように見せていた。下着?姿のダンサー達に囲まれながら、入場した観客は飲み物を飲んだり、語ったりしている。途中彫刻になっていない男女のダンサーが会場を動き回り、狂ったようにしたり、それを女性の方が解説したり、男性がぶつぶつ言ったりしていた。
 しばらくすると空間の中央に置かれていたテーブルは取り払われ、彫刻のように立っていた(実はちょっとずつ動きを変えていた)ダンサーは会場を去り、ガラス張りの階段へ。会場から丸見えの階段空間を楽屋のように見せていて、そこでおもむろに着替え出す彼ら。下着もはずしながら着替え、ウォーミングアップし、たわいない会話もしているようだった。

ここにはこの会場の特性を活かし、観客とダンサー、会場と演技空間、その裏側と言う垣根を壊そうという意図が読み取れる。男女のダンサーが掛け合いながら動き回るのは、慣れていないのか、何がやりたいのかよく分からない感じがした。かなり中途半端に感じ、やるならもうちょっとやりきった、面白さが欲しかった。

二部にはいるとダンサー達は、やはり会場の人をかき分けながら動き出した。そこにステージと客席という概念は既に無い。しかし、そうこうするうちに徐々に中央の空間へ集まりだしたダンサーは踊り出した。苦しみもがくような動き、整然と動く機械的な動き。何となくそこから現代的な社会性や、人間の性を感じさせられた。抗えない大きな流れの中で、四苦八苦しもがく人間。築いては崩れ、また再生する。そしてまた苦しむ。。。そんな無情と哀愁を感じつつ、その中にある人への愛情を見せているようだった。ひとしきり踊り終えた後、最後に伊藤キムが登場。彼独特のユーモアで他のダンサー達をいじりながら踊る。するとダンサー達は会場から観客を引っ張り出し、伊藤キムの周りに立たせた。そこから伊藤キムと観客とのやりとりが始まり、彼の出す怪しいユーモアが楽しませてくれた。

タイトルの「壁の花」とは伊藤キムの人間賛歌的な情景を描いているのかもしれない。もしくは、普段の観客席というのは、彼にとってただの壁と変わらないような対象で、それをステージに上げ、まさに花とすることが目的だったのかもしれない。

正直今回の作品では、力を図り切れない感じがあったが、作品からは嫌なモノは感じなかった。今度は舞台での作品をちゃんと観てみたいと思う。次回に期待。「ラジオで踊る」は一度観てみたいな。どうなんでしょう?
by michiyuki917 | 2005-01-17 03:30 | Review
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