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浄土
昨日ASAHIスクエア(次はBankART1929YOKOHMA)で行われている「浄土」というのを見てきました。次回のsound+dance+viualで使う会場と言うこともあり、他のアーティスト、スタッフと一緒に敵情視察?というか、下見を兼ねて行ってきました。

チラシはA4見開きのフルカラーに金の特色を使うという豪華なもので、かなり金と気合いを感じさせる。さて中身はどうか?あ、ちなみに入場料は前売りで4500円、当日だと5000円で、ちょっと普通より割高感がある。(でも昨日は招待で。^^;) 
綜合プロデュースはパーカッショニストの加藤訓子で、他にク・ナウカの演出家、宮城聡が入る。音はイギリスの作曲家のJames Woodと、ソプラノ歌手のSarah Leonard。それにク・ナウカの俳優の江口麻琴が演ずるという構成。音響は田口製作所(小林さん)がサポート。

2フロア分の高さのある会場は、通常下の階(4F)からの入場だが、それを狭い上のギャラリー階(5F)から入らせ、会場までのアプローチを長く取っている。これはステージの置き方を通常の入り口前に設置した為だが、どうにも導線が悪かった。そういうステージの置き方なので、僕が以前出演したときとは前後反対に見るようなレイアウトになっていて、広い壁を背に、アリーナ状に階段が並べられていた。小さな舞台とその脇には、様々な楽器(主に打楽器)が所狭しと置かれている。上手奥には高台にマイクと譜面代、あとは割れた陶器やガラスをすだれのようにしたオブジェ的なモノが吊られている。その高台とステージの間に俳優(江口)が遠い目をして座り、観客の入りから開演まで微動だにしないでいる。
開演後、今まで動かなかった江口が呻くように語りを始める。しかし、しばらくすると喋っている口と、音がずれてきて、最後は口だけぱくぱくとする。このずれがちょっと気持ちよかった。基本的に男と女の声が三島由紀夫の「滋賀寺上人」(多分)朗読をし、その間に音が入っていくという構成。
最初の5分位までは、俳優のゆっくりといた動きで緊張感を感じさせていたが、音が入り、少し空気が変わる。音が入ると、その音のパフォーマンスが強く、いくら朗読の語りが入ってもそれとちぐはぐしてしまう。後半は徐々に退屈にすら感じてしまう。単純にこの加藤のパフォーマンス自体もやっている行為は見えてくるが、そこから聞こえる音に、響いてくるモノは感じない。膨大な量の楽器もほんのちょっとずつしか触られず、色々とやっているだけで面白くもない。まだ、俳優とソプラノ歌手だけで世界を作った方が面白いと感じた。同行した他のメンバーも同じように感じていたようだ。しかし、お客の反応は面白かったという声も聞こえ、「え?」っと思ってしまう。確かにお金をかけてステージを組み、(ASAHIでは2回公演)沢山の楽器の音も聞けたのだろうが、それで満足がいってしまうのか? これだけのお金の使い方をしていたら、もっと面白いことが出来そうに思うのに、見せかけだけで、中身が全くついてきていない。
今回は綜合プロデュースが加藤の企画だったので、このパーカションパフォーマンスを見せるのが主だったのかもしれないが、それが一番面白くなかった。俳優達がはけた後も、加藤だけ残り、前半で使わなかった楽器を使い、ソロパフォーマンス。なんかいらないおまけをもらったようで、疲れた。(一応加藤は、ロッテルダム音楽院を主席で卒業し、世界中で活躍しているらしいが、それを裏付けるモノは無かった。)
俳優の江口の動きは、細い身体をゆっくりと動かし、緊張感を生んでいて、良かった。ソプラノ歌手も技術的なモノはさすがにしっかりしていたが、譜面をめくる音が気になってしょうがなかった。それほど歌う量も無かったのでこれくらいなら暗譜して、もっと世界観を作って欲しい。クラシック歌手というのは、どうも、譜面台を前にして歌う形が好きなのかしらないが、そういう姿になってしまう。声だけで伝えるのなら別に衣装もいらないだろうし、姿を見せるのであれば、自分の立ち姿からも色々と伝えようとして欲しい気がする。(これは演出の問題かもしれないかな)特に日本人のリサイタルとかでは正装して歌えば良い的な発想を感じることが多いので、その辺の精神的な歪みはどうにかして欲しい。

話はそれたが、三島由紀夫の世界で音を表現するというのは面白いかもしれない。が、もっと響くモノをやって欲しかった。これを自分で5000円払って見ていたら、怒っていたと思う。

薄い〜!
by michiyuki917 | 2005-02-02 16:17 | Review
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