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山の手事情社公演「銀河鉄道の夜」
楽しみにしていた山の手事情社の公演が東京芸術劇場で行われ、本日千秋楽でした。
最近最終回を観ることが多い気がしますが、やはり劇団として最終的な答えの日、キラン!

会場への入りは、開演の十分前でそれまでロビーで待つことになったが、これは役者が板付きの状態で舞台が始まるためと思われました。入ると赤い照明がゆっくりと変化していて、既に別の空間へ入ったことを感じさせる演出。ステージ上には沢山の布が端切れの海の様に重ねられ、その中に役者も実は入っている。(のはすぐわかった)少々客入れに時間が掛かって押しながらの開演。
今回は宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」ということで、僕も原作が好きだったので期待は高まる。それをどう山の手流に料理してくれるのか?全体的な印象としてはかなりストレートにストーリーを追っていて、賢治の世界を素直に表現しているように感じました。ただ、原作を知らない人にはちょっとストーリーがわかりづらいかも。。。一番最初に山田さんが滑舌良く喋るシーンがあり、ダジャレで役者の名前や舞台のタイトルを言ったりするのだが、内容を知らない人は、カンパネルラ?ジョバンニ?何でみんなクスクス笑っているの?って感じかも。でも知っている人は結構ツボに来るのかもしれない。
演出的には銀河鉄道に乗っている部分と、現実の部分を平行して進行していき、最後にそれが重なって来る様になっていて、上手く舞台用にアレンジしていた。今までの舞台と比べると全体的に大人しい感じで、割としっとりと見せていました。役者は着ぐるみに近い程の量の布を使った衣装で、かなりボリューミーで動きを大きく見せる。そのボリュームが有りつつも軽快な身体捌きの役者達とのギャップが気持ちいい。主役のジョバンニとカンパネルラは女優1人が二役をやっていた。舞台上に二人いるが片方は進行役で、二人いるが身を交互に入れ替えながら対話しているように見せていて面白い。だが、途中でその1人二役が崩れ、カンパネルラを別の役者が演じるシーンがあった。そこはちょっとわかりづらく感じ、観る方を少し困惑させてしまう気がした。あ、変わったんだなと思うけど、何で変わるの?っていう疑問が残ってしまう。変化するとしたらその為の媒体が何か有っても良いかもしれないな。
舞台が終わりに近づくにつれ、ジョバンニの感じる寂しさ、悲しさがしっとりと舞台を包み、結構ぐっと来そうなモノがあった。最後にカンパネルラが居なくなってしまい、ジョバンニや父親の悲しみを表すシーンがある。だけど実は少し物足りなさを感じ、そこをもっと滅茶苦茶にやって大事な人を失った悲しみを表現して欲しかった。そこが強かったらもっと良い舞台になった気がした。最後列車がゆっくりと去るように舞台もフェードアウトしていくのだけど、その緩やかな終わらせ方のためにも最後との力の差を出しても良かったかも。

でもやはり全体としては完成度が高いし、とても楽しかった。賢治の哲学観を観る者にちゃんと伝えていて、改めてこの作品の良さを感じさせてもらった。やっぱり舞台へ賭けているものが、他の劇団とは違うことを凄く感じる。早く世界へ羽ばたいて欲しい劇団だな〜。

これからも楽しみにしています。
by michiyuki917 | 2005-06-06 01:02 | Review
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