翌日、今度は別の美術館へ行きました。
ロンドンへ着いたばかりの時にバッキンガム宮殿の前で出逢ったアレンという男。 彼とメールでやり取りを続けていたのですが、彼のお誘いでピカデリーにある、 ローヤルアカデミーでやっているムンク展を見に行きました。 ![]() こちらはやはり企画展だったのですが、彼が会場の会員になっていることもあり、 彼プラス1人は入場フリー。相方は学生と言い張って少し安く入りました。(笑) 普通に入ると8ポンドで1600円位、学割は6ポンドで1200円程度になります。 今回の展覧会は色んな意味で面白かった。 先ずムンクは皆さんご存知のように、SCREAM/叫びで一躍有名になった画家で、 近年は日本でもかなりのブームにもなった人ですね。日本でも最近やってたね。 で、先ず面白かったのが入ると小学生が沢山居て、授業の一環らしく模写したり、 絵について色々とディスカッションしたりしていました。 その辺の床へ寝っ転がったり、自由に動き回ってて邪魔だったけど。(笑) 小さな時から本物の絵に触れ、それについて考えたり、話し合ったりしているのは、 凄く素敵で、日本もそう言う環境が作れないモノかと思ってしまう。 日本だとどうしても形を気にして、気軽にアートに触れられない。 本当に価値の有るモノは子供から遠ざかって、歳取ってお金を持ってから来る。 これって凄くもったいないし、おかしなことなんだね。 感受性が高く、一番色んな刺激を求める時期に本物を与えてあげて、 ちゃんと人材を育てていくことを考えられる社会というのは素晴らしい。 そういう部分で日本は文化的にかなり後進国だと言うことを実感。 もう一つカルチャーショックではないけど、凄く刺激的だったのは、 一緒に行ったアレンと、絵の一枚一枚について語り合いながら観たこと。 ムンクは結構精神的に病んでいるところが多かったため、 それが顕著に絵に顕れていて、それをどう解釈して観るかというのは面白い。 彼はとにかく、「あの絵はどうしてああなっていると思う?」 「この絵は凄くコントラストが強くて、彼の二面性を表しているのだけど、 君はどう解釈する?」と具体的なQ&Aをガンガン持ちかける。 きっとこちらの人みんなでは無いのだろうけど、そうやって話すのは、 自分の解釈を深めたり、人の思ったことについて考えたりと面白い。 自分で活動していくときに、そのビジョンを人に語ったりすると、 より自分自身にもクリアになって浮かび上がってきたりするけど、 それと一緒で、絵も凄く身近で、内容へどんどん入っていける。 彼もこうやって人と話すと、新しい解釈が聴けて面白いと言ってました。 こんなことを小さいときから繰り返していたら、それは凄いことだよね。 どんどん感性を刺激され、創造力は豊になっていくのだろうな。 こういう教育方法は人間を豊にする上でとても大事に思った。 日本人はとかく遠慮し、自分の中で物事を解決していきがちだけど、 アウトプットとインプットを繰り返した方が、早く見えるモノもあるし、 色んなモノをクリアにするのには凄く良い方法だと思う。 欧米の文化を作る一端を見た気がする展覧会でした。 あ、ムンクの絵自体ですが、彼の人生を網羅したかなり規模の大きなもので、 凄く充実した内容で面白かった。生で見たのは初めてだったしね。 凄く人間臭さをもった人物だったのだということを感じました。 人間が持つコンプレックスが表現の中に色濃く顕れ、感じさせる。 精神的に病んでいる時期や、中期の比較的穏やかな絵の時、 後半の死へと向かう思考が見え隠れする作品など、人間の心、 いや、ムンク自身の心の明暗を凄く見せつけられてしまった。 特に、アレンとディスカッションしながらだったので、余計に濃かった。 でもそのボリュームをかなりヘビーに見て回ったので、 最後にはみんなでへとへとになってたけど、かなり面白かった。
by michiyuki917
| 2005-11-05 11:00
| LONDON
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