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【ロンドン演劇】メリー・スチュアート
昨日は色んな人が良いといい、こちらの雑誌などでも評価の高い、
メリー・スチュアートを観劇に行って参りました。

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会場はApolo Theatreというピカデリーサーカスにある劇場ですが、
中は凄く良い造りで、広さも程よく、演劇やオペラ向けですね。

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客席に入ると緞帳は既に上がった状態で、舞台セットが見えます。

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今まで見た演劇で良くあるのだけど、客席が暗転する前に役者がステージ上に現れ、それから少し遅れて客電(客席の明かり)が落ちるという順番。なので急に始まる感じですね。^^;

メリー・スチュアートという人について少し解説(引用だけど)。

1542年、生後6日にしてスコットランド女王となったメリー・スチュアート。58年フランス皇太子と結婚、翌年フランス王妃となり、61年夫の早世により帰国。以後混乱を極めた政治情勢のなかで母国を親政する。新教支持から再婚を機に旧教徒へ、数年後には夫の暗殺者と結婚。反対勢力により監禁、脱獄してイングランドヘ。エリザベス女王廃位の陰謀荷担の疑いで監禁、19年間幽閉後、女王暗殺事件陰謀者と内通していたとして処刑される。

この舞台ではメリーの最期で、投獄され処刑されるまでが描かれています。中心となる話はエリザベス女王とメリーの確執。そしてその周辺で、投獄され自由を求めるメリーと、そんな彼女の若さと美しさに嫉妬や恐れを抱くエリザベス女王。そしてその女性二人の気持ちや葛藤をとても繊細に描いていた。またフランスのメリー・スチュアート親派の青年がイギリスに潜り込み、彼女を何とか助け出そうと動くいたり、エリザベス女王の近辺の男達の政治的な動き方も描かれる。

正直今回の舞台の英語は超早口だったり、難しい言葉が多くあまり聞き取れなかった。( ̄- ̄;) だが、そろえられた役者陣が素晴らしい! どの役者もそれぞれ存在感があり、その人の癖というか、微妙な人間性まで表現されている。特にメリー・スチュアートとそのメイドの老女の演技はすごかった。日本人の表現感覚からしても凄く繊細に感じたし、最後の方は言葉がわからずともかなりグッと来るモノがあった。役者の演技は喋ること、表情、身振りなど色々とあるが、全てが自然で押しつけがましくなく、入り込める。それほど広くない劇場なのでマイクなどは無く全て生の声。音楽も殆どなく、風や鳥の声、ドアが閉まる音などが丁寧な音量と音質で聞かせてくれる。鳥の声などは聞こえるのか聞こえないかという程度なのだが、それが心地良い。逆に重い鉄のドアが閉まる瞬間の硬い音がアクセントとして、そのシーンに強い印象と余韻を残し、舞台の空気を紡ぐ。

 この劇の美術だが、いたってシンプルである。舞台転換は無いと言っても良いかもしれない程で、基本の美術は石(煉瓦)作りの壁や柱があり、その壁が牢屋の中を表し、城の中を感じさせる。またその美術に対して丁寧に照明が当てられ、牢屋の上の方からわずかに降り注ぐような光、ドアを開けた時に入り込む強烈な外光などを描く。転換があるとしても壁に付けられた長い厚みのある木の板に人が座ったりして使うかどうか(使わない時はあまり光が当たらず目立たない)、ベッドが出る、椅子や机が出る、ランプが降りてくると、この程度なのだ。舞台転換もなく、全体にお金をあまりかけていない美術だな〜っと思ってしまったが、幕間に床を見ると全て石張りになっていて、そう言った細かいディティールへのこだわりを感じた。
 またこの石の床が生きる度肝を抜かれるシーンがあった。2幕の前半でメリー・スチュアートとエリザベス女王が実際に会うシーンがあり、その前に舞台上に雨が降った。雷鳴の音と共に舞台全体に雨が降り注ぎ、役者達はびしょぬれになる。そしてメリーとエリザベスが対面した瞬間に雨がピタッと止み、雨の細かい余韻だけが微妙な風に流されて霧のように見える。思わず、時間を止められてしまった瞬間だった。このシーンを描くための石の床だったとも言えるかもしれない。

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 これまで小劇場での演劇か、ミュージカルの様なエンターテイメントだったので、これだけシンプルに見せられたのは逆に驚いた。役者、美術、照明、そして演出までかなりシンプルで、それが逆に強烈に見えてくる。ストーリーについては僕は大枠しか理解できなかったので、それを語るには値しないので割愛。(汗)

 とにかく役者陣の演技は皆かなりレベルが高く、立っている姿だけで語れる役者がこんなに一度に舞台にそろわれると、閉口してしまうしかない。もしかしたら、美術などが無くても彼らならある種の空気を作りきってしまえるだろう。

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こちらはカーテンコール。赤い方がメリーで、黒い方がエリザベス。

 そうそう、一幕の途中に照明のトラブルで舞台が中断する一幕があった。雰囲気のあるスタッフらしき人が出てきて、「しばしお待ちを〜」何て言ったりする横で、主役が横からちょっと出てきて、それを聞いてたりしたのには笑えた。
 もう一つ付け加えると今回は前回失敗した半額チケット屋さんで券をゲットしてきた。なので、高い席だけど半額+手数料という破格で見ることが出来た。ん〜、こういうのは素敵です。

 こういった半額チケットを取っても取らなくても良いけど、「メリー・スチュアート」はお勧めかと思います。ただ、英語に自信のあるかたと、エンターテイメントを求めない人が良いかな。^^;

帰りに通ったレスター・スクエアは仮設の遊園地になってました。
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ちなみにここのメリーゴーランドは超高速で回っていました。
絶叫系メリーゴーランドに乗りたい方は是非どうぞ。(笑)
by michiyuki917 | 2005-12-20 23:23 | Review
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