【観劇】マイムフェス
以前にもマイムフェスティバルの舞台観劇を報告しましたが、別のを2つ観てきましたのでご紹介します。





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まずフランスのClaire Heggenという人の1人パフォーマンス。
かなり年配(たぶん60前後)の女性ダンサーが70分程1人で舞台を作るのだが、
老練な表現力の有るダンスと構成を見せてもらったという感じでした。
フランス人らしいであろうアンニュイな雰囲気と小道具たち。
1人映画を見ているような感覚にもなる台詞回しもかなりあり、表情などは多彩。
ただ、フランス語がほぼわからない自分には何を言っているのかわからず、
いまいち内容に入っていけなかったのが残念かな。
マイムというから言葉は無いと思ったんだけど、この舞台ではかなり多かった。

表現の手法としては紙をスクリーンにして映像を投影したり、破いたり、
ダンスもバレエベースのコンテンポラリーなものでそれほど新しさを感じない。
彼女の年齢と言うこともあるだろうがそこに僕の求めるモノはなかった。。。
ただ、表現力という意味からすると本当に幅広く、成熟したモノを感じた。

だが、これくらいの高齢のパフォーマーがこのフェスに参加して居るのは興味深く、
幅広い年齢層で、コンテンポラリーなシーンを見せているのは良いと思った。
現代の表現を考えるときにメディアや若者に焦点を当てるのではなく、
まさに現代に生まれた表現者、また別の時代を生きてきた世代からの現代の表現者。
それぞれの視点から現代を捉え、それを見ていいる姿勢というのは大事だと思った。
今を生きているのは僕らだけではなく、その礎になっているモノが確実にあり、
流れというのは何層にもなって、表面に何が浮いているかの違いでしかない。
そういった多様で多層な視点というのはこういった場で意識させられた。

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上のパフォーマンスの翌日、今度はICAで行われている同フェスの舞台を観に。
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Pierre Rigalというやはりフランスのグループが作っている作品で、
以前観たCompagnie 111に所属する別の振付家がダンスを構成している。
ちなみにこの振付家の名前はAurelien Boryという。

舞台の基本的な作り方は舞台中央にスクエアの白いスペースを設け、
そこへ上から映像を投影し、その映像とダンサーとの掛け合いといったもの。
最初始まってからの前半はダムタイプの二番煎じの様で退屈したが、
徐々にミニマルな映像がそのまま変化を表し、ポテンシャルを引き出してくれた。
映像はとにかくシンプルで、線や面で構成されたソリッドな図形が、
フレームの中を行き来したり、拡大縮小しながら空間を動かしていく。
パフォーマーはその動きに影響され動かされてと、コントロールされている様な図。
例えばフレーム横から赤い色面が徐々に広がってきてそこに触れると音がなったり、
またビリビリと身体がしびれてしまったりする(そうルール付けする)ので、
色面の広がりにパフォーマーは追い立てられて動き回ることになる。

また一番面白いと思ったのはその色面が広がったり狭まったりするのに併せ、
ダンサーが身体をゆらすと、本当に床が揺れているように錯覚させられ、
空間が一気に不思議な歪みを動きを持たされたシーンだ。
これにはこういう使い方が有るんだな〜、やられたと思いました。

また、実はこのパフォーマーは簡単な動きで基本的に見せているのですが、
要求される身体能力はかなり高度で技術が必要とされるものが多かった。
それをさらっとこなしてみせる辺りは、凄いと感心させられてしまう。
一番最後にフラッシュライトでストップモーションを見せるシーンが有るのだが、
そこで最初ぐるぐると舞台上を走り回っている姿が転々としていくのだが、
途中から空中に浮いた状態を作り出した。
つまりフラッシュの点滅するスピードに併せてジャンプを繰り返していて、
ほぼ同じ位置と高さに、同じリズム、同じ姿勢で1分程跳び続けていた。
これは単純な作業だが簡単に出来ることではなく、身体能力とセンスが必要。
こうしたことをさらっとやって舞台の重力を操っているのは凄い。

他にも面白いシーンは有ったがここで枚挙してもらちがあかないので、
いつか是非皆さんにも生で見てもらった方が良いかもしれない。
コンセプトも凄く感じられるし、初めてこういう舞台を観る人にも面白いかも。
この舞台を観ていると、狭い枠の中で周りの変化に右往左往する人や社会の構図、
そしてそのフラストレーションや歪みを感じてくる。

先日のCompagnie 111といい、フランスのパフォーマンスシーンは熱い。
かどうかはわからないが、とりあえずかなり高いレベルのモノを見せてもらえた。
よくよくフェスのパンフレットを眺めてみると面白そうなモノはみんなフランス。

今のコンテンポラリーを牽引しているのはフランスなのかもしれない?
いや、日本も捨てたモノではないと思いますが、世界へ打ち出さないとね。
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by michiyuki917 | 2006-02-03 19:37 | Review
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